司馬遼太郎「関が原」

厚めの文庫で上中下3冊。
分量はカラマーゾフの兄弟に相当するが
登場人物の数ではこちらのほうが格段に多い。
多いといっても、最初から最後までずっと活躍するのは
石田光成、島左近徳川家康本多正信、初芽、の5人ぐらい。
その他の人物はフォーカスが当てられた時々に
出自や武勇伝のエピソードが語られる、といったところ。


小説としてはやはり登場人物が多すぎて
上杉景勝前田利長などいかにも重要と思われた人物が
最後には全く登場しなくなってしまうあたりなんかは
残念だったりするけれども、
歴史に疎い自分にとっては勉強になることがたくさんあって
(恥ずかしながら、尾張や近江などの地名と場所が
これを読んでようやくきちんと把握できた)
笑えるところがほとんど無い割に大いに楽しめた。
歴史小説がこれだけおもしろいなんて、
どうして誰も教えてくれなかったのだろう。


次は大阪夏の陣・冬の陣が描かれている"城塞"に挑戦したい。

関ケ原(上) (新潮文庫)

関ケ原(上) (新潮文庫)

関ケ原(中) (新潮文庫)

関ケ原(中) (新潮文庫)

関ケ原(下) (新潮文庫)

関ケ原(下) (新潮文庫)