亀山郁夫「『カラマーゾフの兄弟』続編を空想する」
光文社文庫で新しく出ている"カラマーゾフの兄弟"を訳した人が書いた本。
文学を本気で研究している人はスゴイ!とビックリせざるをえない。
出版されている"カラマーゾフの兄弟"が物語の前半にすぎなくて
後半は執筆されず終いだったこと、
後半はアリョーシャがテロリストになって皇帝暗殺を企てる話らしい、
という点までは何かで読んで知っていたのだが、
本書によれば暗殺を計画するのはコーリャ・クラソートキンである、とのこと。
続編を空想する、といっても本当に単なる空想というわけではなく、
続編のとり得るプロットが"カラマーゾフの兄弟"の序文や
当時の編集者の残したエピソード、
現実の社会情勢などの根拠に基づいて丁寧に論じられている。
キリスト教やロシアの歴史などを少しでも勉強してから読むと
ただの"カラマーゾフの兄弟"ファンとしての立場以上に楽しめたかもしれない。
"カラマーゾフの兄弟"本体は新潮文庫版で持っているが
ここ数年は1度も読み返していない気がする。
近いうちに今度は光文社文庫の新訳で読み返してみたい。
(とは言うものの全5巻で計4200円て・・・!)
![『カラマーゾフの兄弟』続編を空想する (光文社新書) 『カラマーゾフの兄弟』続編を空想する (光文社新書)](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/317Kn299rML._SL160_.jpg)
- 作者: 亀山郁夫
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2007/09
- メディア: 新書
- 購入: 2人 クリック: 21回
- この商品を含むブログ (49件) を見る