アニー・エルノー「戸外の日記」

これもまた100円で買った。
フランス人の文章といえば"退屈で読んでいて眠くなる"、
という偏見を持っているのだが、これはアタリだった。


"日記"といっても個々の記事に日付が入っていなくて、
日記らしさは全然無い。
地下鉄やショッピングセンターでの風景を
文字でスケッチしたようなものと捉えた方が適切かもしれない。
ストーリー性も当然無いけれども、
観光地でないフランスの雰囲気(作中にはホームレスがやたら登場する)や
作家としての視点やを堪能できるのが良い。
ドライで落ち着いた文体も心地よい。


この本のような意外な掘り出し物を楽しむためにも、
GEOの古本コーナーはもっと上手に活用していきたい。

戸外の日記

戸外の日記