森博嗣「朽ちる散る落ちる」

Vシリーズ第9弾．
「六人の超音波科学者」の超音波研究所が再登場．

今作ではなにやら陰謀めいた事情が重なっていて，"組織"なんかも登場する．
読んでも読んでも何がどうなっているのかさっぱりで，
阿漕荘の人々を取り巻く状況の複雑さはシリーズNo.1だと思う．
裏表紙のあらすじでいうところの宇宙密室と地下密室の関連が気になって
とても密室の謎どころではなかったが，
読み始めると止められない面白さは相変わらずだった．

VシリーズとS&Mシリーズの関係については
警部と"先生"の会話からやはりアレであることがより濃厚に．
ひょとすると，もっと以前の巻にも伏線があったのかもしれない．
再読のときは"そのつもり"になって注意深くよまないと．

朽ちる散る落ちる (講談社文庫)